ムーンストーンについて
6月の誕生石 ムーンストーンは愛を育み内面美を輝かせる女神アフロディーテの石
月の光を宿したようなムーンストーンは、古くから神秘的な力を秘めた石として人々に愛されてきました。
『月』は女性性の象徴であり、そのエネルギーを持つとされるこの石は、女性をサポートしてくれる力にあふれています。
怒りや悲しみなどで情緒が不安定になっている時、この石を身につけることで波立った感情を穏やかに鎮め、平和なハートを持ち続けることができるでしょう。
また、『恋人たちの石』『愛を伝える石』とも言われ、持ち主を優しく大らかな愛情で満たしてくれるといわれています。
愛する人との出会いと恋愛を成就させ、幸せな結婚そして家庭へと導いてくれるでしょう。
大切な人へのプレゼントにも最適の石ですね。
情熱的なパワーも持つとされますので、マンネリを感じている関係にも新鮮な風をもたらしてくれるでしょう。
また、インスピレーションを高め、感受性を豊かにし、自分のなかに眠っている力を引き出してくれるパワーもあります。
自分の進むべき道に迷っている人には、その迷いを取り去り、そっと正しい選択へと導いてくれるでしょう。
身に付けると未来への予知能力をもたらし、家族や親しい友人などの危険を知らせ、その危険から守ってくれると伝えられています。
ムーンストーンは、その繊細な雰囲気から、汚染したマイナスエネルギーに染まりやすいように見えますが、実は非常に自浄するパワー強いのです。
そのため、どのような場所でも、清らかで優しいパワーを発揮してくれるでしょう。
ムーンストーンの物語・伝説・言いつたえ
ムーンストーンは、紀元前1世紀頃から人々に知られていたとされ、プリニウスの『博物誌』やアルベルトゥスの『鉱物書』の中では『この石(ムーンストーン)は、月の満ち欠けに従いその形も大きくなったり小さくなったりする』と記述されています。
その神秘的な名が示すように、世界各地で月のパワーを秘めた石として崇められ大切にされてきました。
現在の『ムーンストーン』という名で呼ばれ始めたのは、1600年代からだといわれています。
その語源は、ギリシャ語で月という意味の『セレニテス』。
先ほど述べたように、『月の満ち欠けに従い、その形も大きくなったり小さくなったりする』ことから名づけられました。
夢のような話ですが、これは真実と考えられています。
現在ある電灯などの強い光がない時代、弱い月の光でこの石を見ると、本当にそのように感じられるそうです。
昔の人々は、この不思議な現象に驚いていたのでしょう。
そのような伝承から古代インドでは"聖なる石"として聖職者が身につけたり、豊穣を祈って農具につけたりなど大切に扱われてきたようです。
また、ヨーロッパでは『旅人の石』として、旅に出かける際は安全を祈願して、この石を身につけたといわれています。
ムーンストーンは、古くから神秘的な月とのかかわりが深く、そのエネルギーを宿した石とされ、多くの人々に愛されてきたパワーストーンといえるでしょう。
ムーンストーンの色・品質
無色、白色、灰色、橙色、淡緑色、黄色、褐色、淡青色があります。
ムーンストーンの主要産地
主要産地は、スリランカです。
その他インド、ミャンマー、マダガスカル、タンザニア、アメリカ、北朝鮮などから産出されます。
ムーンストーンの鉱物学
和名で『月長石』というとおり、長石長石(フェルドスパー)グループの仲間です。
そのなかでもカリウムを多く含む正長石(オーソクレース)に属し、曹長石(アルバイト)成分も含んでいます。
最初に『ムーンストーン』という名で呼ばれたのは、「オーソクレース」を主とした、「アルバイト成分」を含有するものです。
ムーンストーンは正長石と曹長石の二つが交互に重なり合って薄層を作り、これを研磨すると光が互いに干渉し合い反射するため、真珠を思わせる柔らかい光“シラー効果”が見られます。
曹長石(アルバイト)の層が薄いと青色が増し、これが厚くなると白色の光りが増します。
これに対して、強くギラッとした褐色の金属的な反射を見せるものを『サンストーン』(右写真)と呼んでいます。
ムーンストーンは、その色や“シラー効果”により、呼び名もそれぞれ違ってきます。
(詳しくは、下記に記載した各項目をご覧ください。)
ムーンストーンのバリエーション
《ブルームーンストーン》
産地を問わず、ムーンストーンのシラー効果が青色である場合は特に『ブルームーンストーン』と呼ばれます。
青い光がまるで秋の美しい月のように見えるこの石から『ムーンストーン』という名が生まれたという説もあります。
鉱物名を『ペリステライト』。
これは、『カナダ・ムーンストーン』『ピジョン・ストーン』とも呼ばれています。
前者は、カナダのオンタリオ州から産出されるため。
後者は、ピジョン(鳩)の首に見られる光沢を感じさせることからそう呼ばれています。
最近、タンザニアから発見された"ムーンストーン"は、通常のムーンストーンの長石の種類と発光の性質が異なるため、ムーンストーンとは呼べない、と考えられています。
鉱物学上では誤りですが、美しい青色のシラー効果を示すその姿は、非常にムーンストーンらしい月の性質を備えているためブルームーンストーンと呼ぶことを許されているのです。
《ロイヤルブルームーンストーン》
『ロイヤルブルームーン』=『王室のブルームーン』
通常のブルームーンストーンより、あざやかな青色シーン効果が見られるものを特別にこう呼んでいます。
《オレンジムーンストーン》
その名のとおり、オレンジ色のムーンストーンをいいます。
月のような受容性に満ちたエネルギーをもつムーンストーンに対し、オレンジムーンストーンは、太陽のように明るく活発なエネルギーをもつとされます。
基本的にはムーンストーンと近いエネルギーであり、この二つを一緒に持つことにより陰陽のバランスがとれるとされます。
《キャッツ・アイ・ムーンストーン》
繊細な針状の結晶を含有するものであり、キャッツアイ効果を示します。
このキャッツアイがムーンストーンに分類されるのは、シラー効果を見せることから。
キャッツアイ効果ともにシラー効果の両方がハッキリと美しく見られるものは、特別な石として高く評価されるでしょう。
《スター・ムーンストーン》
十字状にスター効果を見せる特殊なムーンストーンをいいます。
ムーンストーンのフォルスネーム(誤称)について
《セイロン・オパール》
オーソクレース・ムーンストーンのことをいいます。ムーンストーンのそっくりさん
《ペリステライト》
別名『カナダ・ムーンストーン』。
またの名を『ピジョン・ストーン』。
前者は、カナダのオンタリオ州から産出されるため。
後者は、ピジョン(鳩)の首に見られる光沢を感じさせることからそう呼ばれています。
最近、タンザニアから発見された"ムーンストーン"は、通常のムーンストーンの長石の種類と発光の性質が異なるため、ムーンストーンとは呼べない、と考えられています。
しかし、美しい青色のシラー効果を示すその姿は、非常にムーンストーンらしさを備えています。
ムーンストーンに関連した事項
《ブラック・ムーンストーン》
これは、ラブラドライトの一種。
ブラックと呼ばれる色は、インクルージョンによるもの。
美しい青色シラー効果を示します。
《レインボー・ムーンストーン》
こちらも、ラブラドライトの一種。
ムーンストーンらしいイメージをもちますが、他の色の組成をもつため、正式な名前ではありません。
主に、『ブルームーンストーン』が示すような青色シーン効果以外の色をもつものを『レインボームーン』と呼びます。
レインボームーンのカラーは多彩で、主に黄色や橙色などの色を示すことが多いのですが、高品質なものとなると美しい虹色を見せるものがあり、その希少性から高く評価されています。