ラピスラズリについて
9月の誕生石 ラピスラズリは古代より崇められてきた美しい『聖なる石』
ラピスラズリは、紀元前5000年頃からすでにエジプトなどで『聖なる石』として大切に扱われてきました。
世界中で最も歴史の古い石のひとつといえるでしょう。
邪気を退けるパワーをもちますが、外部からの邪気だけでなく自身の心の邪念も退けるといわれます。
心にある誤った考え方を正し、判断力を高めるため、進むべき道に迷った時などに身につけると良いでしょう。目先の結果だけではなく、自分にとって正しい方向への前進を促してくれます。
その結果、最高の幸運を呼び寄せることになるでしょう。
そして、外部からの邪気。
怒りや嫉妬などを払いのけ、危険を回避してくれます。
またこの石は"愛と美の女神"アフロディーテとも関係が深く、古代ローマ時代では、恋人たちの愛と夢を守る石と崇められた歴史も伝えられています。
現在でも、恋愛に絶大なパワーを発揮し、愛する人との幸せを優しく守ってくれるでしょう。
そして、『第三の目』のチャクラを刺激し、直観力と創造力を高めるため、企画力が欲しい人やクリエイターにはもってこいの石ともいわれています。
さまざまなパワーをもつとされるラピスラズリですが、ひとつ大きな特徴をもっています。
ラピスは、目先の幸福だけを運んでくるだけではありません。
持ち主が本当の意味で成長できるように、試練をあたえることがあるのです。
それぞれの人がもつ、越えなくてはならないこと(カルマ)をいちはやく感づかせ魂のレベルを高めるサポートをしてくれるといわれています。
身につけることによって、普段らしくない経験をすることから『本当に幸運の石なのかな?』と思うことも多いようです。
しかし、それは、ラピスラズリが教えてくれる魂を磨くためのメッセージ。その意味は後になってわかるはずです。
ただ幸運を運ぶだけではなく、持ち主を本当の意味で磨いてくれる奥深いパワーをもつラピスラズリ。
ただのお守りとしてだけではなく、良きパートナーとして身につけることをお勧めします。
ラピスラズリの物語・伝説・言いつたえ
ラピス・ラズリ。和名を『瑠璃』と呼びます。
石を意味するラテン語の『ラピス』と青を意味するアラビア語の『ラズリ』との創作語になります。
民族を越えた名前のとおり、古代より世界各地で『聖なる石』と崇められてきました。
時に、深い青は"夜空"を金色を"星"を表し『天を象徴する石』とされることもあったようです。
日本でも、仏教の世界では極楽浄土を飾るとされる『七宝』のひとつ『瑠璃』と呼ばれ、『幸運のお守り石』として古くから人々に愛されてきました。
またこの美しい青色は魔よけのパワーがあるとされ、バビロニアやエジプトでは、この石の粉を使い壁画を描き護符としたといわれています。
特に、エジプトでは最高の力を秘めた護符として、黄金に匹敵するほどの価値を与えられることもありました。
ツタンカーメン王の棺の装飾品として、この石が多くはめ込まれていたことからも特別な存在であったことがうかがえます。
そして、世界で最初に"天然石"として認められた石はこのラピスラズリだといわれています。
ラピスラズリの色・品質
紺青色にパイライトによる金色の斑点と母石のカルサイトの白色部分がみられます。
宝石としては一様な群青色のものが珍重されるが、パイライトの斑点が点在しているものはさらに高く評価されます。
また、他の鉱物との組み合わせで、その色合いは変化します。 白色が目立つ石の場合、青色がまんべんなく見えるように着色処理を施されることがあります。
そして普通行われている加工ですが、オイルや樹脂などに浸しいっそう美しく見せる含浸加工があります。
もともとの組織が荒く良好な研磨が不可能の場合、表面にコーティング加工が施される場合があります。
ラピスラズリの主要産地
主に、アフガニスタン、ロシア、チリ、ミャンマー、アメリカなどから産出されます。
最高品質のものは、アフガニスタンから産出します。
アルゼンチンでも、高品質のものが採掘されています。
ラピスラズリの鉱物学
ラピスラズリは、単一の鉱物ではありません。
一般には、『ラズライト』と『アウィン』と『ソーダライト』と『ノーゼライト』が集合したものなのです。
特に、『ラズライト』と『ノーゼライト』を多く含有すると、深く美しい色彩のラピスとなります。
また、他の鉱物との組み合わせで、その色合いは変化します。
全体的に、均一な色彩のものは少なく、黄金色の"パイライト"白色の"カルサイト"や"長石"が小さな斑点としてみられます。
この"群青色"を英語では『ウルトラマリン』と表現します。
これは『はるばる海を越えてきた』という意味で、まさにシルクロードを越え、海を越えやってきたラピスラズリの歴史からこう呼ばれるようになったといわれています。
シルクロードから今度は日本にも運び込まれ、奈良の正倉院にはラピスラズリの装飾品がいくつかあります。
この石は広くいわれる岩石とは異質であり、石灰岩の大理石や白雲岩化作用に伴い、よく『パイライト』や『ドラマイト』と共産しています。
アフガニスタンでは、大理石や白雲岩などの母岩上にラピスの結晶が点在するしているものがよく見られます。