アクアマリン
3月の誕生石 アクアマリンは『幸せな結婚』を象徴する美しいブルーの透明石
アクアマリンは、『幸せな結婚』というキーワードから、近年非常に人気の高い天然石のひとつです。
身につけると、まるで穏やかな海に身をゆだねているような、清らかな癒しで満たしてくれます。
それは、海がすべての生命の源であるからでしょうか。
母なる存在の海は、私たち生命にやすらぎと穏やかな癒しをもたらしてくれるようです。
海のような癒しをもたらしてくれるため、周りの人に対しても優しく穏やかな気持ちで接することができるようになるなど、コミュニケーション能力をUPしてくれるといわれています。
また、人と人を調和させるといわれ、仲違いしている夫婦や恋人には、仲直りのキッカケをそっと与えてくれるでしょう。
アクアマリンは別名『天使の石』と呼ばれ、美しい若さと幸せな喜びを象徴するともいわれています。
『幸せな結婚』を象徴するとともに子宝に恵まれる石とされていますので、結婚を控えている人への贈りものとしても喜ばれるでしょう。
また、その名のとおり海とのかかわりも深く、船乗りたちの間では航海安全や豊漁のお守りとして大切にされてきました。
海だけではなく、旅行などにも身につけていくと不慮の事故や災害から身を守ってくれるでしょう。
また、アクアマリンはエメラルドと同じ"ベリル"ファミリー。
高貴な緑色が印象的なエメラルド。
甘いピンクのモルガナイト。
さわやかな黄色のヘリオドール。
純粋な無色の透明感のゴシュナイト。
非常に希少な赤色のレッドベリル。
その春の色世界を思わせる色彩は見る人を幸せな気持ちにさせるてくれます。
夜になるといっそう輝きを増すため、『夜の女王』と呼ばれることもあるアクアマリン。
その特性から『人生の壁や暗闇に迷った時、新たな希望の光をもたらす』といわれています。
アクアマリンの物語・伝説・言いつたえ
アクアマリンという名はラテン語で"水"を意味する『アクア』、"海"を意味する『マリン』から由来しています。
呼び名のままの、穏やかで美しい海のような宝石です。
近年、『幸せな結婚を象徴する石』として、女性からの人気が非常に高まってきている石です。
その魅力は、フランス王妃"マリーアントワネット"がダイヤとともに愛してやまなかった宝石であると伝えられているほど。
ロウソクなどの夜の照明の中で、とりわけ美しく輝くことから中世ヨーロッパでは夜会用の宝石「夜の女王」としても好まれていました。
また、"月の光を受けて輝く"という幻想的な特性を持つ宝石であるため、別名「人魚石」とも呼ばれることがあるそうです。
神話では『海の精の宝物が浜へと打ち上げられ宝石になった』とされるアクアマリン。
美しい海をちいさな石に閉じ込めたような、広く深い世界を感じさせる宝石ですね。
古代ローマでは、月の女神『ディアナ』の石とされています。
『ディアナ』は太陽神"アポロン"の妹であり、勇敢で活動的な女神であったと伝えられています。
そんなさわやかな女神のイメージどおり、深い透明感のブルーは、どこか凛とした雰囲気を感じさせます。
アクアマリンのヒーリングパワー
目の不調の改善や、視力回復に効果があるとされています。リンパ腺などの病気の治療にも使用されたほか、歯の強化にも利用されたと伝えられています。
アクアマリンの色・品質
ブルーが濃い程、アクアマリンとしての価値が評価されます。
しかし市場に出回っているほとんどのアクアマリンには、エンハンスメント(品質改良)が施されています。
400℃の加熱で、余分な色のない澄んだ青色になり、そしていったん青色になったものは変色しないという特性があります。
また、アクアマリンの最高級品(サンタマリア・アフリカーナ)は、アクアオーラに似た色合いをもち、そのエネルギーもアクアオーラに酷似した特性をもつといわれます。
アクアマリンの主要産地
主にブラジル、ロシア(ウラル地方)、ナイジェリア、マダガスカル、パキスタン、インドから産出します。
特に、1991年に産出がスタートしたアフリカのモザンビークは色の濃い良質なアクアマリン産出されることで有名です。
『サンタマリア・アフリカーナ』という称号が与えられるほどの美しさで、世界中から賞賛されています。
大産地としては、ブラジルのミナス・ジェイラス州です。
243ポンド(約110kg!)という大きな原石が発掘されており、 アクアマリンはブラジルのシンボル石とまでなっています。
また、カットされたアクアマリンで、最も大きい物は『ドム・ペドロ』と呼ばれる、なんと26kgという巨大な結晶です。
これは1992年にイーダーオーバーシュタインでムンスタイナーによってカットされたものだそうです。
アクアマリンの鉱物学
アクアマリンは、エメラルドと同じ《ベリル》ファミリー。
(ベリルに関しては、下記に記載してあります。)
美しいブルーは、内部に含有される微量(0.5〜2%)な鉄分に起因しています。
同じベリルファミリーでありながらアクアマリンとエメラルドはとても対照的です。
エメラルドは包有物(内包されたひびや傷)が多いのに対し、 アクアマリンはほとんど無傷のまま、しかもかなり大きな結晶で産出します。
アクアマリンはペグマタイトや花崗岩、一部の広域変成岩中に生成し、六方晶系に属する長柱状結晶体や短柱状結晶体などで発見されます。
産出される原石のほとんどが、緑色味を帯びたブルーのため、エンハンスメント(品質改良)が施されています。
良質の宝石用アクアマリンは、傷のない縦に条線をもつ結晶。
美しいブルーをさらに濃く見せるため、手前にテーブルがくるように、カットされることが多いようです。
そして稀に成長線が多くある場合、カットによりキャッツアイ効果をはじめ、スター効果をもつアステリズムの可能性があるとされます。
また、見る角度によって無色や青色を示す『二色性』も持つともいわれています。
アクアマリンのバリエーション
《エメラルド》
ベリル(緑柱石)の緑色の宝石変種をいいます。
高貴な緑色と、アクアマリンに比べて内部にひびや傷、インクルージョンなどが非常に多く見られるのが特徴です。
内部にひびや傷などがないエメラルドはほとんど見られないため、通常、その箇所を見えにくくする目的で樹脂浸透加工が行われます。
かの有名な絶世の美女、クレオパトラに愛された宝石として有名なエメラルド。
疲労やストレスの蓄積した心身を癒し、思考力を高めてくれるといわれています。
また恋人や夫婦間の愛情を深めてくれますので、パートナーとの幸せな生活を願う人は、このエメラルドをアクセサリーとして身につけると良いでしょう。
《モルガナイト》
ベリル(緑柱石)のピンク色の宝石変種をいいます。
甘いピンク色が特徴で、この色彩は含有したマンガンに起因し、別名を『ローズベリル』と呼ばれることもあるそうです。
モルガナイトは、愛と清純、そして優美を象徴する石とされ真実の愛の素晴らしさを教えてくれるといわれています。
また、思いやりの心と豊かな知恵を与えてくれます。
過去のトラウマなど無意識的な恐怖心をやわらげ、穏やかな癒しをもたらしてくれるともいわれています。
深い無償の愛情をはぐくみ、恋愛においても、感動的な愛を引き寄せて成就できるよう導いてくれるでしょう。
利己的な考えを取り去り、鋭い洞察力と直観力で物事の真実性を見抜く力をもたらしてくれるといわれています。
《ヘリオドール》
ベリル(緑柱石)の黄色の宝石変種をいいます。
現在ではイエローベリルやゴールデンベリルとも呼ばれます。
この黄色や黄緑色は含有された鉄元素に起因し、鉄イオンの結晶構造により、その発色はやや変化します。
ほとんどのヘリオドールは裸眼でも確認できるほどの細長いチューブ状のインクルージョンを含みます。
名称は、この石が示す色から、ギリシャ語で『太陽』というヘリオに由来するといわれています。
人間との関わりが非常に深い石で、古代エジプトやギリシャ時代では『神からの贈りもの』の強力な護符として崇められ大切にされてきたといわれています。
大いなる希望や揺るぎない意思をもたらすといわれ、直観力や洞察力を養い、願望の達成に力を貸してくれるといいます。
《ゴシュナイト》
別名を『ホワイトベリル』と呼ばれます。
ベリル(緑柱石)のなかでも無色の宝石変種をさしますが、純粋に無色なものは少なく、淡い色合いを帯びているものも含められています。
ペグマタイト中などに、クォーツと一緒に産出されることが多く、合成成分としてよくセシウムがみられます。
幸運や魂の浄化をあらわす石といわれ、目標とする夢や願望に対し積極的に行動し、それを達成するように導くパワーがあるといわれています。
揺るぎない信念をもたらし、心理の追求にも効果を発揮するとされ、物事を良い方向へと発展させてくれるでしょう。
《レッドベリル》
非常に濃い赤色のベリル(緑柱石)をさしますが、極めて稀な存在とされています。
他のベリルに比べると非常に特殊で、アメリカのユタ州からしか産出しません。
この濃い赤色は、含有された微量のマンガンに起因します。
非常に美しい赤い色ではありますが、傷も多く結晶も小さいことから、宝石として利用されることはあまりありません。
平等、公平を象徴する鉱物とされています。
愛に満ちた平和な心と聡明さをもたらし、他人に対し善良な考え方で接することができるようになるといわれています。
また心身ともに環境を清浄し、知恵や分別のある思考と行動ができるようにサポートしてくれるでしょう。